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「失敗の本質」と「撤退の仕方」 (2022年5月30日)

日本軍の失敗の要因を書いた本と最近読んだ撤退の本が印象に残ったので書き留めておきます。現在の日本の会社や組織にも言えることですが、今までの成功や前例にとらわれ過ぎてしまう傾向があります。確かに・・・考えてみると自分達にも当てはまりそうです。この答えのない時代、バランス感覚がこれほどまでに試される時代はなかったのか?それとも常にあったのか?意見の分かれるところですが、白黒・ゼロイチではなくグレーの部分が重要です。恐らくいつの時代も変化を求められますが、変化の大きさが今回は大きそうです。プラスチックは悪いものではありませんが、使い捨ての物に関しては世間から不評を買っております。しかし、製品によっては必要な用途があります。何かをやる際は成長・拡大(幻影?)を求め、その戦略オプションは多層構造的に複数用意しなければなりません。しかし、人間関係や空気を重視し過ぎたり、横と縦の連携不足だったり、異端・偶然を排除し過ぎたり、サンクスコスト(コンコルドの誤謬)に固執したり、似たことですが撤退すべき時に惰性で続けてしまうこと、欲をかき過ぎること、刺激が刺激を呼んで麻痺してしまう、「足るを知る者は富む」と言われていても経済的成長を望み過ぎた結果、地球環境が取り返しのつかない状況に陥っております。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」・・・その通りです。経済活動も見通しの甘さや検討条件の杜撰さで窮地に立つ可能性があります。ついつい規模の拡大は虚栄と分かっていても求めてしまう企業や人々、でも必要なのはオフェンス力よりもディフェンス力です。勝ちを増やすのではなく、負けを減らす。米軍は常に日本軍を研究し続け、学習し、それを加味した対策を実施していました。新しい戦法を生み出し、トライ&エラーを続ける彼らの変化に日本軍は付いていけなかった。しかし、一番は上の人の考え方次第です。※戦術の失敗は戦闘で補うことは出来ず、戦略の失敗は戦術では補うことはできない。日本軍は結果よりもプロセスを評価した。個々の戦闘においても、戦闘結果よりリーダーの意図とか、やる気が評価された。「責任多く権限なし」・・・会社でもまま起きていおることです。日本軍の最大の失敗の本質は、特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて学習棄却ができず、「自己革新能力をうしなってしまった」、ということであった。失敗の蓄積・伝播を組織的に行うリーダーシップもシステムも欠如していた。主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が戦争の現実と合理的論理によって漸次破壊されてきたプロセスにあった。・・・会社経営でも誰しもが陥る罠です。顧客よりも自分たちのことを優先してしまうという失敗。気が付けば失注してしまいます。しかし、全部を受注していたらパンクしてしまいます。でも企業が成長している間は多少のアラや欠陥があっても、成長で覆い隠されてしまいます。どこの何が本質的なことで重要なのか?どの部分はトキメカナイから捨ててもいいのか?非常に迷うところです。プライドや見栄のようなものは捨て、無欲で見切っていくことが大切です。余儀なくされる前に出来れば手を打ちたい、しかし、事後が起きてからでないと気づけないというジレンマがあります。人や設備も永遠ではなく、心や体のメンテナンスが重要です。「朝ストレッチ」や「自律神経が整う習慣」を自分達が実施していけば凄い力になります。会社全体を見渡して、セクショナリズムに陥りがちな工場や会社を改善すべき、かき混ぜる役割を果たす強力なリーダーシップが必要です。それを発揮する人を育てるには外部から優秀な人を連れてきて1~2年で簡単に出来ることではありません。世間ではいろんな会社が後継者不足で苦労しています。だからこそ人を育てることが重要かつ非常に難しい課題となります。この文章もそうですが、やり過ぎ・書き過ぎ・話過ぎは気を付けて、今日以降も謙虚に素直に人様の話を聞いて、でも自分の意見もしっかり持って、地球環境的にも経済活動的にもやり過ぎないで「絶妙なバランス経営」に邁進していきたいです。そして立派な後継者と社員を育てていきたいです。そうしなければ、日本が、いや地球が持ちそうもありません。